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キルギス共和国、西コクシャルトー山域海外遠征④行動記録

8/10(水) 天気:雨、風:微風、気温:5℃、8:20起床、12:00テント発、13:20ボルダー下雨宿り、15:15ACテント設営、19:00就寝
8:30起床。この日も前日遅かったため遅めの起床とした。9時ごろから雨が降り出し、結局夕方まで止まず。ゆっくり準備をして出発する。目的地は氷河末端のやわらかな砂地の上。荷物が重いが、急ぐ必要もない。3ピッチで夕方TSへ到着。思えば、いつもの山行同様の時間に行動することができたのはこの旅を通じてこの日が初めてとなった。ルーティンを守ること、自分たちのペースで行動することの重要性を改めて認識した。翌日の準備をして就寝。完ぺきとはいえないが、アタックの準備は整った。

8/11(木) 天気:快晴(一時暴風雪)、風:微風、気温:-1℃、3:00起床、4:25テント発、6:25氷河横断終了(4250m)、10:30斜面取り付き(4450m)、14:30北稜のコル、18:20頂上直下、19:30氷河上、20:30ビバークポイント(4350m)
曇り空の中、ライトをつけて出発。クレバス帯をコンテで通過し、左岸に抜け切ったところで一休み。深さは大したことないが、所々ヒドゥンクレバスがあり、幾度か踏み抜き落ちる。薄い空気と膝下程度の湿ったのラッセル、照りつける太陽に苦労し、一向にスピードが上がらない。当初この日中に2座の登頂を狙っていたが、クレバス終了点から約4h経過したところで、2座は難しいと判断。今回は登攀対象をひとつに絞り、北稜のコルへ続く斜面を上がることに。斜面の取り付き部に登攀具、水、レーション以外をデポ。下部にはデブリ、最上部には雪庇があり、2/3ぐらいのところまでは岩筋を通過できたが、稜線へ抜ける最後の1/3は本当に雪崩が怖い急な雪面であった。コルまで1.5hの予想のところ、2.5hかかる。

コルからはアンザイレンし、登攀開始。1,2P目はゆるい雪稜歩き、3P目から傾斜が出てくる。岩場を巻きながら登る。それまで晴れていたのが3P目の途中で急に南からガスが上がってきて、吹雪となる。視界は100~200m程度であろうか。その後の天候回復が読めず、落雷も怖いため、撤退を決める。下降に取り掛かるが、ハーケンをセットできる割れ目がなかなか見つからない。必死になって割れ目を探し、ハーケンを叩き込む。コルに戻り、コル下の斜面を1P懸垂下降したところで天候が回復してくる。再度頂上を目指すこととし、登り返す。17時頂上をタイムリミットとし、コンテ+3ピッチで頂上稜線へ。途中またガスったり晴れたりの繰り返しであった。

頂上稜線に到着すると、岩角には新しい残置スリングがあり、過去に登攀者がいたことが予想された。未踏峰と期待していただけに非常に残念であった。また、頂上まではあと100m程度であるが、往復2h弱かかることが予想されることから、敗退を決める。疲労困ぱいの中、スピードと安全を優先させ、ハーケンやスリングを残置しながらコルへ下降する。どのハーケンもバッチリ効いていたわけではなかったため、慎重な懸垂下降となった。コルから1P懸垂下降。そこからは歩いて荷物デポ点へ。やわらかい雪面をただ下るだけなのだが、2,30歩歩いては呼吸を整える具合であった。斜面を下る途中で天候は安定、頂上含め快晴となり、結局本格的に吹雪いたのはあの一回のみとなった。

デポ点に到着し、テルモスのティーを飲んでしばし休んだ後、ACへ向けて歩き出す。2人ともフラフラで、1ピッチ歩いたところでビバークを決める。天候と場所も安定しており、この状態でクレバス帯を通過するよりは一晩休んで体力を回復させ、周囲が明るくなったところで氷河上を歩くべきと判断した。放射冷却の中ツェルトに入り山の日の一夜をしのぐ。